「デスクの上をスッキリさせたい。でも、日常業務の快適さやAI機能は妥協したくない」。省スペースなデスクトップを探している方なら、一度はこんな悩みにぶつかるのではないでしょうか。
Lenovoの「Yoga Mini 01IPH11」は、その悩みに答える一台です。円形のアルミ筐体は幅・奥行き約130mm、重量は公式値で約600g。文字どおり手のひらに収まるサイズでありながら、Core Ultraシリーズ3を搭載したCopilot+ PCとして、AI機能に対応しています。
今回お借りした検証機は、Core Ultra 5 325、メモリー16GB、SSD 512GBの構成です。ベンチマーク、実務テスト、温度・騒音・消費電力まで計測し、「どんな人に向いていて、どんな人には向かないのか」を率直にお伝えします。
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デザインとビルドクオリティ
最大の特徴は、円形のアルミ筐体です。よくあるミニPCの「四角い箱」とは印象が違い、デスクに置くだけで存在感があります。
- サイズ: 本体サイズ約130×130×48.5mm、体積は約0.65L、重量は約600gです。
- 持ち運びの視点: 軽量コンパクトなのでモバイルモニターとの組み合わせで気軽に持ち歩くことが可能です
基本スペック表
検証機の実際の構成(CPU-Zなどで確認)を中心にまとめています。本機はCTO(注文時カスタマイズ)モデルで、選択する構成によってスペックが変わります。
※選択がある場合は検証機は太字
| 項目 | 構成 |
|---|---|
| CPU CPUの選び方 |
Intel Core Ultra 5 325 Intel Core Ultra X7 358H |
| GPU | 内蔵グラフィックス |
| メモリー メモリの選び方 |
16GB(オンボード) 32GB (オンボード) ※現在は32GBのみ販売 |
| ストレージ | SSD 512GB(PCIe 4.0 x4) SSD 1TB(PCIe 4.0 x4) |
| OS | Windows 11 Home / 最大Windows 11 Pro |
| ネットワーク | 有線LAN(Realtek Gaming 2.5GbE) Intel Wi-Fi 7 BE213 160MHz、Bluetooth |
| インターフェース | Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×2、USB 3.2×1、 HDMI 2.1、有線LAN、ヘッドフォン端子 |
| サイズ / 重量 | 約130×130×48.6mm / 約600g(公式値) |
💡 メモリーについて:
オンパッケージのため、購入後の増設はできません。購入時に16GBか32GBかを決める必要があります。
入力デバイスと操作性
デスクトップの本機には、キーボードもトラックパッドも内蔵されていません。オプションでワイヤレス、キーボード&マウスHelios Gen 2、シーシェル-日本語を選択可能です。
ここは好みに合わせて選ぶのが良いと思います。Bluetooth対応なので、ワイヤレスのキーボードやマウスを使えば、USBポートを節約できます。
パフォーマンス検証
(1) 搭載プロセッサ
検証機のCPUはCore Ultra 5 325(Panther Lake)です。Pコア4基とLPコア4基の計8スレッドで、Max TDPは25Wです。キャッシュはL2が4×3MB+4MB、L3が12MBでした。
(2) ベンチマークスコア分析
CINEBENCH 2026
| 項目 | スコア |
|---|---|
| CPU(マルチスレッド) | 2,642 pts |
| CPU(シングルスレッド) | 450 pts |
| MPレシオ | 5.88x |
Cinebench 2026は新世代の指標で、MPレシオは、速いPコア4基とLPコア4基の混成構成として、妥当な伸びです。
3DMark
| テスト | 総合 | グラフィックス | CPU/物理 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| Fire Strike | 6,133 | 6,824 | 物理 21,390 | ― |
| Fire Strike Extreme | 3,028 | 3,067 | 物理 21,562 | 良好 |
| Time Spy | 3,227 | 2,916 | CPU 8,182 | 非常に良好 |
| Steel Nomad Light | 2,147 | 15.91 FPS | ― | 良好 |
| CPU Profile | スコア |
|---|---|
| 最大スレッド | 6,195 |
| 16スレッド | 6,083 |
| 8スレッド | 6,279 |
| 4スレッド | 4,005 |
| 2スレッド | 2,135 |
| 1スレッド | 1,093 |
8スレッド以降にスコアが伸びないのは、性能が頭打ちになったのではなく、CPUが8スレッド構成だからです。全テストで、3DMarkの「同じハードウェアの平均」に対して約97〜104%に収まっており、極端な性能低下は見られませんでした。
PCMark 10
| 項目 | 標準 | Extended |
|---|---|---|
| 総合 | 6,832 | 7,099 |
| Essentials | 9,059 | 9,274 |
| Productivity | 11,017 | 16,413 |
| Digital Content Creation | 8,670 | 8,711 |
| Gaming | ― | 5,177 |
日常業務の基礎性能を示すEssentialsは、9,000台と余裕があります。Productivityが標準版とExtendedで大きく異なる理由は、計測データだけでは特定できません。両方の数値を事実として掲載します。
PassMark PerformanceTest 11.0
| 項目 | スコア | パーセンタイル |
|---|---|---|
| 総合 | 6,234.1 | 67th |
| CPU Mark | 22,205.2 | 74th |
| 2D Graphics Mark | 816.6 | 64th |
| 3D Graphics Mark | 4,895.5 | 37th |
| Memory Mark | 3,257.8 | 77th |
| Disk Mark | 37,189.0 | 92nd |
CPU・メモリー・ストレージは上位、GPUは中位以下という性格がはっきり出ています。パーセンタイルは、あらゆる機種が混在するデータベース内での位置なので、競合ミニPCとの優劣判断には使わないでください。
ゲーム系ベンチマーク
| テスト | 設定 | スコア | 評価 |
|---|---|---|---|
| FF14 黄金のレガシー | 高品質(ノートPC)、1920×1080 | 7,832 | やや快適 |
| FF14 黄金のレガシー | 標準品質(ノートPC)、1920×1080 | 8,733 | 快適 |
| FF15 | 軽量品質、1920×1080 | 3,933 | 普通 |
| FF15 | 標準品質、1920×1080 | 3,552 | 普通 |
| ストリートファイター6 | LOW、1920×1080 | 93/100 | 快適にプレイできます |
| ストリートファイター6 | NORMAL、1920×1080 | 40/100 | 設定変更が必要です |
ストリートファイター6のFIGHTING GROUNDは、LOWで平均54.03FPS、NORMALで29.73FPSでした。FF14の結果はFSR有効・ノートPC向けプリセットでの計測なので、他機種との直接比較にはなりません。
ゲームについては、画質を下げれば軽めのタイトルは遊べるが、標準以上の画質は厳しい、というのが一貫した傾向です。
再起動テスト
10回計測の結果です(インターバル15秒)。
| 回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 所要時間(秒) | 54 | 55 | 54 | 55 | 50 | 51 | 51 | 52 | 50 | 51 | 52.3 |
平均は約52.3秒で、ばらつきは5秒以内に収まりました。ノートPCの感覚だと長めに感じる方もいるかもしれませんが、常時電源を入れたまま使うことの多いミニPCでは、影響は限定的です。
(3) クリエイティブ性能・実務テスト
- Adobe Lightroom: Canon EOS R6で撮影したRAW 100枚の現像が、1:02で完了しました。PCMarkのPhoto Editingが高得点だった結果と一貫しており、写真編集は得意分野といえます。
- Adobe Photoshop: Camera Rawのスーパー解像度とノイズ除去、塗りつぶしによる不要部分の削除は、いずれも普通に操作できました。
- 動画編集について: PCMarkのVideo Editing(約6,200)は低めです。「写真は快適、動画編集は用途次第」と分けて考えるのが公平です。
(4) ストレージ性能
| テスト | Read (MB/s) | Write (MB/s) |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 6,018.77 | 4,919.96 |
| SEQ1M Q1T1 | 1,972.79 | 1,754.37 |
| RND4K Q32T1 | 428.38 | 647.04 |
| RND4K Q1T1 | 48.24 | 128.40 |
PCIe Gen4 SSDらしい速度が出ています。3DMarkのStorage Benchmark(スコア1,316、平均帯域幅226.50MB/s)が控えめなのは、ゲームのロードを模した浅いキューの小〜中サイズのアクセスが中心のテストだからで、CrystalDiskMarkと矛盾するものではありません。
SSDの状態(CrystalDiskInfo): 健康状態は正常(99%)で、PCIe 4.0 x4接続、温度は42℃でした。使用時間は140時間、総書込量は3,586GBです。この個体はメーカー貸出のレビュー機で、使用履歴があります。
初期の空き容量: Cドライブ474.53GBのうち、空きは402.18GB(85%)でした。カタログの「512GB」より容量が少なく見えるのは、GB(10億バイト基準)とGiB(2進基準)の表記の違いと、EFI(450MB)・回復パーティション(1.95GB)が別に確保されているためです。
(5) 静音性・温度・消費電力
消費電力
| 負荷状態 | 内容 | 消費電力 |
|---|---|---|
| アイドリング | 待機 | 3 W |
| 動画再生 | YouTube 30分 | 4 W |
| 動画エンコード | PowerDirector 365(H.264) | 34 W |
| ベンチマーク | FF14 30分ループ | 41 W |
騒音
| 負荷状態 | 内容 | 騒音 |
|---|---|---|
| アイドリング | 待機 | 37.4 dB |
| 動画再生 | YouTube 30分 | 37.3 dB |
| 動画エンコード | PowerDirector 365(H.264) | 39.0 dB |
| ベンチマーク | FF14 30分ループ | 41.5 dB |
表面温度(天面中央)
| 負荷状態 | 内容 | 表面温度(天面中央) |
|---|---|---|
| アイドリング | 待機 | 27.9 ℃ |
| 動画再生 | YouTube 30分 | 25.8 ℃ |
| 動画エンコード | PowerDirector 365(H.264) | 32.8 ℃ |
| ベンチマーク | FF14 30分ループ | 39.9 ℃ |
HWMonitorの内部温度の詳細は次のとおりです(単位:℃)。
| センサー | アイドリング | 動画再生 | エンコード | ベンチマーク |
|---|---|---|---|---|
| CPU Package | 55 | 71 | 81 | 92 |
| P-Cores (Max) | 53 | 72 | 80 | 91 |
| LP-Cores (Max) | 41 | 47 | 59 | 74 |
| SSD Assembly | 33 | 35 | 47 | 62 |
| SSD Sensor 1 | 34 | 53 | 65 | 86 |
| SSD Sensor 2 | 33 | 35 | 47 | 62 |
📝 検証まとめ:
- 静かさ: 最大負荷でも41.5dBに収まり、負荷に応じて緩やかに上がりました。アイドリングと動画再生は、実質同じ静かさです。
- 消費電力: 待機3W、動画視聴4Wと、ほとんど電力を使いません。一方、高負荷時は34〜41Wまで上がります。
- 温度: 高負荷時のCPU 92℃、SSD 86℃は、決して余裕のある温度ではありません。ただし、3DMarkのスコアは平均並みで、極端な性能低下は見られませんでした。
- 表面温度: 内部が81℃でも天面中央は32.8℃と、外側はおだやかでした。ただし排気口付近や底面は測定しておらず、筐体全体が低温とは言えません。
- 総括: 「静かで外側は熱くないが、高負荷時の内部は高温」という二面性が、この筐体の特徴です。
ソフトウェアと機能
| アプリ | 内容 |
|---|---|
| Lenovo Vantage | 製品番号、BIOSバージョン、保証状況の確認、 更新プログラムの確認、サポート窓口 |
| Lenovo Smart Performance | PCの状態を保つ最適化・診断系の機能 |
| Lenovo Smart Storage | PCをストレージ・センターとして使う共有・バックアップ機能 |
購入後は、まずLenovo Vantageで更新プログラムを確認することをおすすめします。
Smart Storageは、常時電源を入れっぱなしにしやすいミニPCと相性がよい機能です。
ネットワークとインターフェース
Thunderbolt 4を2基、USB Type-C、USB Type-A、HDMI 2.1、有線LAN、ヘッドフォン端子まで備え、小さな筐体としてはポートが充実しています。
検証機では、Wi-Fi 7対応の「Intel Wi-Fi 7 BE213 160MHz」と、「Realtek Gaming 2.5GbE」を確認しました。ただし、実際の接続はWi-Fi 6(802.11ax)環境で行ったため、Wi-Fi 7での通信速度は検証できていません。 有線LANも今回は未接続で、実測値はありません。
※USB 10Gbps (Type-C / USB 3.2 Gen 2)は USB PD/ DP Alt Mode対応です。
AC電源
価格とコストパフォーマンス
CTOモデルのため、構成によって価格が変わります。執筆時点(2026年9月28日)の公式ページには、168,100円~(税込)となっています。
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保証とサポート
検証機のLenovo Vantageでは、保証が「アクティブ(残り8か月)」と表示されていました。ただし、貸出機のため参考値です。標準保証の期間や延長オプションは、公式の販売ページで確認してください。
お勧めの使い方
👍 向いている方:
- デスク周りをスッキリさせたい方
- Web閲覧、Office、Web会議が中心の方
- 写真のRAW現像をする方(100枚を約1分で処理できました)
- 複数の外部ディスプレイで作業したい方
👎 向かない方:
- 重い3Dゲームを高画質で遊びたい方
- 動画編集や3Dレンダリングが主用途の方
- 購入後にメモリーを増設したい方
結論(総評)
✨ メリット:
- 手のひらサイズ(約600g)で置き場所を選びません。
- 待機3W、最大負荷でも騒音41.5dBと、静かで省電力です。
- 写真編集や日常業務の性能は十分です。
- ポート構成が豊富で、Wi-Fi 7・2.5GbEにも対応しています。
⚠️ 注意点:
- メモリーは増設不可です。
- 内蔵GPUのため、ゲームや動画編集には向きません。
- 高負荷時の内部温度(CPU 92℃、SSD 86℃)は高めです。
- 再起動に約52秒かかります。
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あわせて買いたい周辺機器
- 外部ディスプレイ(USB-C/HDMI対応)
- Bluetoothキーボード・マウス
- 外付けスピーカー
- Thunderbolt 4対応の拡張ドック








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