ノートPCのメモリの選び方|DDR4・DDR5・LPDDR4X・LPDDR5/5Xの違いを解説

ノートPCのメモリの選び方

ノートパソコンを選んでいると、「DDR5」「LPDDR5X」「16GB」「32GB」など、メモリに関するさまざまな表記を目にします。

メモリは、Windowsやアプリが作業中のデータを一時的に置いておく場所です。容量が不足すると、CPUが高性能でもアプリの切り替えが遅くなったり、複数のソフトを同時に使ったときに動作が重くなったりします。

Windows 11の最低システム要件は4GBですが、これはあくまでOSを動作させるための最低条件です。これからノートPCを購入するのであれば、基本的には16GB以上をおすすめします。

本記事では、Windows 11搭載ノートPCを前提に、DDR4・DDR5・LPDDR4X・LPDDR5・LPDDR5Xの違いと、用途に合わせたメモリ容量の選び方を解説します。

結論:Windows 11なら16GBを基準に選ぶのがおすすめ

2026年現在、新しくWindows 11搭載ノートPCを購入するのであれば、まず16GBメモリを基準に考えるのがおすすめです。

メモリ容量 おすすめ度 主な用途
8GB Web閲覧、動画視聴など軽い用途中心
16GB Office、Web、オンライン会議、一般的な仕事
32GB 多くのアプリを同時使用、写真・動画編集、開発
64GB以上 高度な動画編集、仮想マシン、大規模データ、ローカルAIなど

一般的な仕事や家庭用途なら16GB、少し余裕を持って長期間使いたい場合や、動画編集などを行うなら32GBを選ぶと安心です。

一方、Web閲覧や動画視聴しかしない場合は8GBでも利用できます。ただし、ブラウザのタブを多数開いたり、オンライン会議をしながらOfficeを使ったりすると余裕が少なくなります。

そもそもメモリとは?

メモリ(RAM)は、CPUが処理するデータを一時的に保存しておく場所です。

よく「机の広さ」に例えられます。

  • メモリ容量が大きい:広い机で多くの作業を同時に進められる
  • メモリ容量が小さい:机が狭く、作業を切り替えるたびに片付けが必要になる

メモリが不足するとSSDなどを一時的な退避場所として使用するため、アプリの切り替えなどで動作が遅くなる場合があります。

CPUを上位モデルに変更するより、8GBから16GB、16GBから32GBへメモリを増やした方が快適になるケースもあります。

DDR4・DDR5・LPDDRの違い

現在のノートPCでは、主に次のメモリ規格が使われています。

規格 特徴 主な採用製品 増設
DDR4 一世代前の標準規格 低価格PC・旧世代PC 可能な製品が多い
DDR5 高速・大容量化した現行規格 現在の一般的なノートPC 可能な製品がある
LPDDR4X DDR4世代の低消費電力メモリ 旧世代の薄型・軽量PC 基本的に不可
LPDDR5 高速・低消費電力 薄型モバイルPC 基本的に不可
LPDDR5X LPDDR5をさらに高速・省電力化 最新の薄型・高性能モバイルPC 基本的に不可

大まかに分けると、DDR系は拡張性、LPDDR系は省電力性と高速性を重視した規格と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、DDR5だから必ず交換できる、LPDDRだから絶対に交換できない、というわけではありません。製品ごとの実装方法を確認する必要があります。

DDR4とは

DDR4は、長年ノートPCで広く使用されてきたメモリ規格です。

代表的なノートPC向け仕様としてDDR4-3200などがあり、Office、Web閲覧、動画視聴など一般的な用途では現在でも十分な性能があります。

DDR4を採用したノートPCのメリットは、比較的低価格な製品が多く、SO-DIMMスロットを採用している機種では後からメモリを交換・増設しやすいことです。

一方、新しいCPUではDDR5やLPDDR5Xが中心になっているため、これから長期間利用するPCを購入する場合は、価格差が小さければDDR5搭載モデルを優先してよいでしょう。

DDR5とは

DDR5は、DDR4の後継となるメモリ規格です。

DDR4より高いデータ転送速度とメモリ帯域を実現しており、新しいIntel Core UltraやAMD Ryzen搭載ノートPCなどで広く採用されています。

DDR5はDDR4より高い転送速度からスタートしており、メモリ帯域が大きく向上しています。例えばDDR4-3200に対し、DDR5では4800MT/s以上の規格が利用されています。

ただし、DDR5だから体感速度が必ず大幅に向上するわけではありません。

Web閲覧やWordなどではメモリ規格による違いを感じにくく、実際の快適さにはメモリ容量やCPU、SSDなども影響します。

一方、内蔵GPUを利用した画像処理、動画編集、ゲームなど、メモリ帯域を多く使用する用途ではDDR5の高速なメモリ帯域が有利になる場合があります。

DDR4とDDR5に互換性はない

DDR4とDDR5は、同じ「DDRメモリ」でも異なる規格です。

DDR4用のスロットへDDR5メモリを取り付けたり、DDR5用のスロットへDDR4を取り付けたりすることはできません。

メモリを増設する場合は、パソコンが対応している規格を必ず確認してください。

LPDDR4Xとは

LPDDR4Xは、低消費電力を重視したDDR4世代のメモリです。

「LP」はLow Power(低消費電力)の意味で、薄型軽量ノートやモバイルノートなどで多く採用されました。

DDR4より消費電力を抑えやすく、バッテリー駆動時間を重視するノートPCと相性の良い規格です。

現在ではLPDDR5・LPDDR5Xへの移行が進んでいますが、中古PCや少し前のモバイルノートではLPDDR4X搭載モデルも多く見られます。

LPDDR5・LPDDR5Xとは

LPDDR5は、LPDDR4Xの後継となる低消費電力メモリです。

さらにLPDDR5を高速化・省電力化した規格がLPDDR5Xです。

LPDDR5Xは高速なメモリ帯域と低消費電力を両立できるため、現在の薄型軽量ノートやAI PCで多く採用されています。


特にIntel Core UltraやAMD Ryzen AIなど、高性能な内蔵GPUを搭載するCPUでは、高速なLPDDR5Xのメモリ帯域を活用できます。

LPDDR5Xのメリット

高速なメモリ帯域

LPDDR5Xは高いデータ転送速度を実現できるため、CPUだけでなく、システムメモリを共有する内蔵GPUにもメリットがあります。

写真編集、動画編集、ゲームなどでは、高速なメモリが性能向上に貢献する場合があります。

消費電力を抑えやすい

LPDDR5Xはモバイル機器向けに低消費電力化されています。

そのため、バッテリー駆動時間を重視した薄型軽量ノートとの相性に優れています。

薄型PCを設計しやすい

LPDDRメモリは基板上へ直接実装されることが多く、SO-DIMMスロットを必要としません。

その分、パソコン内部を薄く設計しやすく、軽量モバイルノートで採用される理由のひとつになっています。

LPDDR系最大の注意点はメモリ増設

LPDDR4X・LPDDR5・LPDDR5X搭載ノートPCを購入するとき、最も注意したいのが購入後のメモリ増設ができない製品が多いことです。

基板へ直接実装されたメモリは、一般ユーザーが交換・増設することはできません。

そのため、例えば16GBのLPDDR5X搭載PCを購入した後で「32GBに増やしたい」と考えても対応できない場合があります。

LPDDR搭載PCでは、購入時のメモリ容量選びが特に重要です。

なお、LPDDR5Xを交換可能にするLPCAMM2などの新しい規格も登場していますが、一般的なノートPCではまだ基板直付けの製品が中心です。

DDR5とLPDDR5Xはどちらが良い?

どちらが優れているかではなく、ノートPCに何を求めるかで選ぶのがおすすめです。

重視するポイント おすすめ
購入後にメモリを増設したい DDR5(SO-DIMM搭載機)
薄さ・軽さを重視 LPDDR5X
バッテリー駆動時間を重視 LPDDR5X
内蔵GPU性能を重視 高速DDR5またはLPDDR5X
長期利用で容量を変更したい DDR5増設対応機

DDR5は高性能ノートや拡張性を重視したPC、LPDDR5Xは薄型モバイルPCなどに適した特徴があります。

メモリ規格そのものよりも、必要な容量を確保できるか、増設できるかを優先して選んだ方が失敗しにくいでしょう。

Windows 11で8GBメモリは足りる?

Windows 11の公式な最低メモリ容量は4GBですが、実際のノートPC選びでは4GBをおすすめできません。

8GBであれば、Web閲覧、動画視聴、簡単なOffice作業には利用できます。

ただし、例えば次のような使い方ではメモリ不足になりやすくなります。

  • ブラウザで多数のタブを開く
  • TeamsやZoomを使いながらOfficeを操作する
  • 複数のOfficeアプリを同時に開く
  • 写真を編集する
  • 長期間PCを使用する

価格差が許容できるのであれば、これからWindows 11搭載PCを購入する場合は16GBをおすすめします。

16GBメモリがおすすめの人

16GBは、現在のWindows 11搭載ノートPCでは最も標準的で選びやすい容量です。

次のような用途に適しています。

  • Word・Excel・PowerPoint
  • Web閲覧
  • YouTubeなどの動画視聴
  • Teams・Zoomなどのオンライン会議
  • 簡単な写真編集
  • プログラミング学習
  • 一般的なビジネス用途

用途がはっきり決まっていない場合でも、迷ったら16GBを選ぶという考え方で大きな問題はありません。

32GBメモリがおすすめの人

32GBは、複数のアプリを同時に使用する人やクリエイティブ用途に向いています。

  • 大量のブラウザタブを開く
  • Adobe PhotoshopやLightroomを使用する
  • 動画編集を行う
  • プログラム開発を行う
  • 仮想マシンを使用する
  • 内蔵GPUを使ったゲームや制作を行う
  • 4~5年以上PCを使いたい

特にメモリを増設できないLPDDR5X搭載PCでは、予算に余裕があれば32GBモデルを選ぶ意味があります。

64GB以上が必要になるのはどんな人?

一般的なユーザーであれば64GBは必要ありません。

以下のような用途で検討する容量です。

  • 本格的な4K・8K動画編集
  • 大規模なRAW現像
  • 複数の仮想マシン
  • 大規模なソフトウェア開発
  • 3DCG制作
  • 大容量メモリを使用するローカルLLM

一般的なOffice用途のために64GBを選んでも、16GBや32GBと比較して体感速度が向上するわけではありません。

内蔵GPUを使うならメモリにも注目

Intel ArcやAMD Radeonなどの内蔵GPUは、一般的に専用のビデオメモリを持たず、システムメモリの一部をGPU用として使用します。

そのため、内蔵GPUを積極的に利用する場合は、CPUだけでなくメモリ容量とメモリ帯域も重要です。

特に次の用途では影響を受けやすくなります。

  • ゲーム
  • 動画編集
  • 写真編集
  • 3DCG
  • GPUを使用するAI処理

高性能な内蔵GPUを搭載するPCであれば、16GBより32GBの方が余裕を持って利用できます。

メモリの速度はどこまで気にするべき?

製品仕様には、次のような表記があります。

  • DDR4-3200
  • DDR5-4800
  • DDR5-5600
  • LPDDR5-6400
  • LPDDR5X-7467
  • LPDDR5X-8533

基本的には数字が大きいほどデータ転送速度が高くなります。

ただし、一般的なノートPC購入では、細かなメモリ速度の差より容量の方が重要です。

例えば、

8GBの高速LPDDR5Xより、16GBのDDR5を選んだ方が快適になる用途は多くあります。

まず容量を決め、その上で同程度の価格・構成なら高速なメモリを選ぶ、という順番がおすすめです。

デュアルチャネルも確認したい

DDR4やDDR5を搭載したPCでは、メモリ構成によってデータを並列に転送できる場合があります。

例えば、16GBを「16GB×1枚」ではなく「8GB×2枚」で構成した方が、メモリ帯域が広くなる場合があります。

特に内蔵GPUではメモリ帯域が性能に影響するため、ゲームや画像処理を重視する場合はメモリ構成も確認しましょう。

ただし、DDR5やLPDDR系では内部構造やメモリチャネルの構成がDDR4時代とは異なるため、単純に「2枚なら必ず高速」とだけ考えるのではなく、製品ごとの実測性能を確認するのが確実です。

メモリ増設を考えている場合のチェックポイント

購入後にメモリを増設する予定なら、次の項目を確認してください。

  • メモリスロットがあるか
  • 空きスロットがあるか
  • メモリが基板直付けではないか
  • DDR4かDDR5か
  • 最大搭載容量
  • メーカー保証への影響

ノートPCでは、

  • 8GBオンボード+空きスロット1
  • 16GBオンボード+SO-DIMM 1スロット
  • SO-DIMM 2スロット
  • すべてオンボード

など、製品によって構成が大きく異なります。

同じ16GBメモリ搭載モデルでも、将来32GBへ増設できるPCと、一切増設できないPCがあります。

メモリ選びでよくある勘違い

DDR5ならDDR4より必ず快適?

必ずしもそうではありません。

一般的なOffice用途では規格差より、メモリ容量やCPU性能の影響の方が大きい場合があります。

LPDDR5XはDDR5より上位?

単純な上位・下位関係ではありません。

LPDDR5Xは高速・低消費電力を重視し、DDR5は性能と拡張性のバランスを取りやすいという違いがあります。

Windows 11は4GBあれば十分?

4GBはMicrosoftが定める最低要件です。

快適に使うための推奨容量とは異なります。新規購入なら16GBを基準に考えることをおすすめします。

メモリは多いほど速くなる?

必要量を超えて増やしても、基本的な処理速度が比例して速くなるわけではありません。

例えばOfficeとWeb閲覧だけなら、32GBから64GBへ増やしてもメリットはほとんどないでしょう。

用途別おすすめメモリ構成

用途 おすすめ容量 規格の考え方
Web・動画視聴 8~16GB 規格より価格重視でも可
Office・仕事 16GB DDR5 / LPDDR5Xがおすすめ
大学生・持ち歩き 16GB LPDDR5Xと相性が良い
写真編集 16~32GB 高速DDR5 / LPDDR5X
動画編集 32GB 高速メモリを推奨
ゲーム 16~32GB 容量+帯域を確認
プログラム開発 16~32GB 用途に応じて増設性も確認
ローカルAI・仮想マシン 32~64GB以上 容量を優先

まとめ:メモリ規格より先に容量を決めよう

Windows 11搭載ノートPCのメモリを選ぶときは、DDR4・DDR5・LPDDR5Xといった規格だけを見るのではなく、まず必要な容量を決めることが重要です。

選び方の目安は次の通りです。

  • 一般的なWindows 11 PCなら16GBがおすすめ
  • 動画編集や重いマルチタスクなら32GB
  • 8GBは軽い用途に限定
  • DDR5は性能と増設性を両立しやすい
  • LPDDR5Xは高速・省電力で薄型モバイルPC向き
  • LPDDR搭載PCは購入後に増設できない製品が多い
  • 内蔵GPUを重視するなら容量とメモリ帯域も確認する

特にLPDDR5Xを搭載した薄型ノートでは、後からメモリを増設できない場合が多いため、「今必要な容量」だけでなく、数年後の使い方も考えて16GB・32GBを選ぶことをおすすめします。

メモリ規格だけでノートPCの優劣を判断せず、CPU、ストレージ、ディスプレイ、バッテリー、本体重量なども含めて、自分の用途に合った製品を選びましょう。

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