Intel Core Ultra シリーズ3とは?型番の違いと搭載ノートPCの選び方

Intel Core Ultra シリーズ3は、2026年に登場したノートPC向けプロセッサーです。
従来のCore Ultraと同様に、一般的な処理を担当するCPU、画像処理を担当するGPU、AI処理を担当するNPUを搭載しています。
ただし、同じCore Ultra シリーズ3でも、CPUのコア数や内蔵GPU性能には大きな違いがあります。「Core Ultra 7」「Core Ultra 5」というグレードだけでなく、型番全体を確認して選ぶことが重要です。

※掲載内容は2026年8月時点の情報です。

結論:Core Ultra シリーズ3は幅広いノートPCに対応する最新世代

Intel Core Ultra シリーズ3は、薄型モバイルノートから高性能なクリエイターノートまで、幅広い製品に対応したCPUシリーズです。
特に注目したいのは、Intel Arc B390やIntel Arc B370を搭載するモデルです。外部GPUを搭載しないノートPCでも、写真編集、動画編集、軽めのゲームなどに対応しやすくなっています。
一方で、すべてのCore Ultra シリーズ3が高性能なIntel Arcグラフィックスを搭載しているわけではありません。
例えば、Core Ultra 7 356Hは16コアCPUですが、内蔵GPUは4基のXeコアを備えた「Intel Graphics」です。これに対してCore Ultra 5 338Hは12コアCPUながら、10基のXeコアを備えた「Intel Arc B370 GPU」を搭載しています。CPUグレードだけで判断すると、用途に合わない製品を選ぶ可能性があります。

Intel Core Ultra シリーズ3とは

Intel Core Ultra シリーズ3は、開発コードネーム「Panther Lake」と呼ばれていたノートPC向けプロセッサーです。
2026年1月に正式発表され、Intelの半導体製造技術「Intel 18A」を採用した初のクライアント向けコンピューティングプラットフォームとなります。
Intelは、Core Ultra シリーズ3を搭載したパソコンを2026年1月27日から世界各地で販売すると発表しました。
Core Ultra シリーズ3には、Core Ultra 5、Core Ultra 7、Core Ultra 9に加えて、内蔵グラフィックス性能を強化したCore Ultra X7、Core Ultra X9が用意されています。

Core Ultra シリーズ3の型番の見方

例として「Intel Core Ultra X9 388H」を分解すると、次のようになります。

Intel Core Ultra X9 388H
│       │       │ │  └ 末尾記号
│       │       │ └── 製品番号
│       │       └──── 性能グレード
│       └──────────── ブランド
└──────────────────── メーカー

Core Ultraはブランド名

「Core Ultra」は、IntelのプレミアムノートPC向けプロセッサーブランドです。
CPUだけでなく、内蔵GPUとAI処理用のNPUも搭載しています。

X9・X7・9・7・5はグレード

Core Ultra シリーズ3では、次のグレードが使われています。

グレード 大まかな位置づけ
Core Ultra X9 高性能CPUと高性能内蔵GPUを搭載する上位モデル
Core Ultra X7 高性能内蔵GPUを搭載する上位モデル
Core Ultra 9 CPU性能を重視した上位モデル
Core Ultra 7 高性能ノートからモバイルノートまで幅広く採用
Core Ultra 5 価格と性能のバランスを重視したモデル

Core Ultra X9とX7は、Intel Arc B390 GPUを搭載する新しいグレードです。Intelは、ゲーム、コンテンツ制作、マルチタスクなどを想定した製品として位置づけています。
ただし、数字が大きければ、すべての処理で必ず高性能になるわけではありません。
CPU性能を重視するのか、内蔵GPU性能を重視するのかによって、適した型番は変わります。

3から始まる番号はシリーズ3を示す

Core Ultra シリーズ3では、「388H」「366H」「338H」「325」など、3から始まるプロセッサー番号が使われています。
Intel Core Ultraでは、プロセッサー番号の先頭が世代を表します。

型番例 世代
Core Ultra 7 165H シリーズ1
Core Ultra 7 258V シリーズ2
Core Ultra 7 366H シリーズ3

Intelも、プロセッサー番号の先頭にある1、2、3などの数字が、シリーズ1、シリーズ2、シリーズ3を示すと説明しています。

Hは高性能ノートPC向けの型番

シリーズ3では、「Core Ultra X9 388H」「Core Ultra 7 366H」のように、末尾にHが付くモデルがあります。
Hモデルは12コアまたは16コアの製品が中心で、複数アプリの同時使用、動画編集、コンテンツ制作など、比較的負荷の高い作業に適しています。
一方、「Core Ultra 5 325」「Core Ultra 7 365」のように、末尾にアルファベットが付かないモデルも用意されています。
末尾なしのモデルは6コアまたは8コアが中心で、一般的なビジネスノートやモバイルノートに採用しやすい構成です。シリーズ3では、Hの有無だけでなく、コア数と内蔵GPUも確認しましょう。

Core Ultra シリーズ3の主な特徴

Intel 18Aを採用

Core Ultra シリーズ3は、Intel 18Aを採用した初のクライアント向けプラットフォームです。
Intel 18AはCPUの処理性能だけでなく、電力効率の向上も重視した製造技術です。Core Ultra シリーズ3は、高い処理性能とバッテリー駆動時間の両立を狙った世代といえます。
ただし、実際のバッテリー駆動時間は、バッテリー容量、ディスプレイ、本体の電力設定などによって大きく変わります。
CPUの世代だけで長時間駆動できると判断せず、各ノートPCの実測結果を確認することが重要です。

最大16コアのハイブリッド構成

上位モデルでは、最大16コアのCPUを搭載しています。
Core Ultra X9 388Hの場合は、次の構成です。

  • Pコア:4コア
  • Eコア:8コア
  • 低消費電力Eコア:4コア
  • 合計:16コア

高負荷な処理ではPコアとEコアを使用し、軽い処理では低消費電力Eコアを活用することで、性能と省電力性の両立を図っています。Core Ultra X9 388Hの基本電力は25W、最大ターボ時電力は80Wです。
なお、シリーズ3には6コア、8コア、12コア、16コアのモデルが存在します。すべてのモデルが16コアではありません。

内蔵GPUは3種類に大別できる

Core Ultra シリーズ3の内蔵GPUは、主に次の3種類に分かれます。

内蔵GPU Xeコア数 主な搭載モデル
Intel Arc B390 GPU 12基 Core Ultra X9、Core Ultra X7
Intel Arc B370 GPU 10基 Core Ultra 5 338H
Intel Graphics 4基 Core Ultra 9・7・5の多くのモデル

Intel Arc B390 GPUは、Core Ultra X9とX7に搭載されるシリーズ3最上位の内蔵GPUです。Core Ultra X9 388HとCore Ultra X7 368Hは、いずれも12基のXeコアを搭載しています。
Core Ultra 5 338Hは、10基のXeコアを備えたIntel Arc B370 GPUを搭載します。Core Ultra 5という名称ですが、内蔵GPU性能を重視する場合は、Intel Graphicsを搭載する一部のCore Ultra 7やCore Ultra 9より有力な選択肢になります。
Intel Graphics搭載モデルは、Web閲覧、Office、動画視聴、オンライン会議などには対応しやすいものの、Arc B390やB370とはGPU規模が大きく異なります。

AI処理用のNPUを搭載

Core Ultra シリーズ3は、AI処理を担当するNPUを搭載しています。
例えば、Core Ultra 5 325とCore Ultra 5 338HのNPU性能は47 TOPS、Core Ultra 7 356HとCore Ultra X9 388Hは50 TOPSです。
Microsoftは、Copilot+ PCの要件として40 TOPSを超えるNPU、16GB以上のメモリなどを挙げています。Core Ultra シリーズ3搭載ノートPCは、Copilot+ PCに対応する製品を構成できるNPU性能を備えています。
ただし、NPUを搭載しているだけで、すべてのAI処理が高速になるわけではありません。
NPUを利用するには、Windowsやアプリ側がNPU処理に対応している必要があります。ローカルLLMや画像生成ソフトなどでは、NPUではなくCPUやGPUが使われる場合もあります。

Core Ultra シリーズ3のラインアップ

2026年8月時点でIntelが掲載している主なノートPC向けラインアップは、次のとおりです。

グレード 型番 コア数 最大周波数 内蔵GPU
Core Ultra X9 388H 16 5.1GHz Intel Arc B390
Core Ultra X9 378H 16 5.0GHz Intel Arc B390
Core Ultra X7 368H 16 5.0GHz Intel Arc B390
Core Ultra X7 358H 16 4.8GHz Intel Arc B390
Core Ultra 9 386H 16 4.9GHz Intel Graphics
Core Ultra 7 366H 16 4.8GHz Intel Graphics
Core Ultra 7 356H 16 4.7GHz Intel Graphics
Core Ultra 7 365 8 4.8GHz Intel Graphics
Core Ultra 7 355 8 4.7GHz Intel Graphics
Core Ultra 5 338H 12 4.7GHz Intel Arc B370
Core Ultra 5 336H 12 4.6GHz Intel Graphics
Core Ultra 5 335 8 4.6GHz Intel Graphics
Core Ultra 5 325 8 4.5GHz Intel Graphics
Core Ultra 5 332 6 4.4GHz Intel Graphics
Core Ultra 5 322 6 4.4GHz Intel Graphics

ラインアップは、6コアのCore Ultra 5 322から、16コアとIntel Arc B390 GPUを搭載するCore Ultra X9 388Hまで幅広く用意されています。

用途別の選び方

Web閲覧やOfficeが中心

Web閲覧、文書作成、表計算、動画視聴、オンライン会議などが中心なら、Core Ultra 5 325や335などが候補になります。
これらは8コアCPUとNPUを搭載しており、一般的なビジネス用途には十分な性能を期待できます。
ただし、メモリ容量が8GBでは複数アプリの同時使用で余裕が少なくなるため、16GB以上のメモリを搭載したノートPCがおすすめです。

複数アプリを使った業務

複数のアプリやブラウザタブを同時に開く場合は、Core Ultra 7 356Hや366Hなどの16コアモデルが候補になります。
ただし、これらの内蔵GPUはIntel Graphicsです。CPU処理を重視する製品であり、高い内蔵GPU性能を求める場合には注意が必要です。

写真編集や動画編集

写真編集、動画編集、グラフィックスを利用するAI処理などでは、Intel Arc B370またはB390を搭載したモデルが有力です。
価格と性能のバランスを重視するならCore Ultra 5 338H、より高いCPU・GPU性能を求めるならCore Ultra X7またはX9が候補になります。
動画編集ではCPUやGPUだけでなく、メモリ容量とストレージ速度も重要です。フルHD動画編集なら16GB以上、4K動画編集を行う場合は32GB以上のメモリを目安にすると余裕があります。

外部GPUなしでゲームを楽しみたい

外部GPUを搭載しないノートPCでゲームを楽しみたい場合は、Intel Arc B390を搭載したCore Ultra X7またはX9が第一候補です。
Core Ultra 5 338HのIntel Arc B370も、画質設定を調整しながらゲームを楽しみたい場合には有力な選択肢です。
一方、Intel Graphics搭載モデルは、同じCore Ultra シリーズ3でもグラフィックス性能が大きく異なります。ゲーム目的では、CPU名だけでなくGPU名まで必ず確認しましょう。

Core Ultra シリーズ3を選ぶ際の注意点

Core Ultra 7がCore Ultra 5より常に高性能とは限らない

CPU処理だけを比較すれば、Core Ultra 7の16コアモデルが有利になる場合があります。
しかし、内蔵GPU性能では、Intel Arc B370を搭載したCore Ultra 5 338Hが、Intel Graphicsを搭載したCore Ultra 7より有利です。
「Core Ultra 7だから上位」と考えず、使用する処理に合わせて選びましょう。

すべてのモデルがIntel Arcを搭載しているわけではない

Core Ultra シリーズ3という名称だけでは、内蔵GPUの種類を判断できません。
Intel Arc B390、Intel Arc B370、Intel Graphicsではグラフィックス性能に大きな差があります。
また、Intel Arcブランドの利用には、メモリ構成やノートPCメーカー側の有効化など、一定の条件があります。購入時にはCPUの仕様だけでなく、ノートPCの商品ページに記載されたGPU名を確認してください。

NPUの利用にはソフトウェア側の対応が必要

47~50 TOPSのNPUを搭載していても、すべてのアプリがNPUを利用するわけではありません。
NPU性能だけを目的に高価なモデルを選ぶのではなく、利用予定のWindows機能やアプリがNPUに対応しているか確認する必要があります。

同じCPUでも実際の性能は異なる

同じCPUを搭載していても、ノートPCの冷却性能、電力設定、メモリ構成によってベンチマーク結果は変わります。
薄型軽量モデルと大型ノートでは、同じCPUでも長時間の高負荷処理で性能差が生じる可能性があります。
CPUのカタログスペックだけで判断せず、実機レビューで処理性能、動作音、表面温度、バッテリー駆動時間を確認することが重要です。

Core Ultra シリーズ3搭載ノートPCのレビュー

当サイトでレビューしたCore Ultra シリーズ3搭載ノートPCは、以下から確認できます。

【Core Ultra シリーズ3搭載ノートPCのレビュー記事一覧】

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レビューでは、CPUベンチマークだけでなく、内蔵GPU性能、ストレージ速度、バッテリー駆動時間、動作音、本体温度などを実機で確認しています。
同じCPUシリーズでもパソコンによって実際の性能や使いやすさは異なるため、購入前の参考にしてください。

まとめ

Intel Core Ultra シリーズ3は、Intel 18Aを採用し、CPU、GPU、NPUを組み合わせた2026年世代のノートPC向けプロセッサーです。
6コアの一般用途向けモデルから、16コアとIntel Arc B390 GPUを搭載する高性能モデルまで、幅広いラインアップが用意されています。
選ぶ際に最も注意したいのは、Core Ultra 5・7・9というグレードだけで判断しないことです。
特に内蔵GPUは、Intel Arc B390、Intel Arc B370、Intel Graphicsの3種類で性能が大きく異なります。
事務作業ならCore Ultra 5、CPU処理を重視するなら16コアのCore Ultra 7や9、内蔵GPU性能を重視するならCore Ultra 5 338HまたはCore Ultra X7・X9を中心に検討すると、用途に合った製品を選びやすくなります。

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