Wi-Fi 6対応Aterm WX6000HP(PA-WX6000HP)のレビュー記事です。
実は管理人以前はWi-Fi 5対応の「Aterm WG2600HP3」を利用していたのですがそれの買替です。
大きな違いは
Wi-Fi 6対応、10Gbpsポート搭載、暗号化のWPA3対応などですね。
簡単な比較表を作成してみました。
製品 | PA-WX6000HP | PA-WG2600HP3 |
---|---|---|
無線/5GHz | 11ax(4804Mbps) | 11ac(1733Mbps) |
無線/2.4GHz | 11ax(1147Mbps) | 11n(800Mbps) |
無線/実測値 | 4040Mbps | 1430Mbps |
有線 | 10Gbps(WANx1) 1Gbps(LANx4) |
1Gbps(WANx1、LANx4) |
有線/実測値 | 940Mbps | |
OFDMA | 対応 | 未対応 |
バンドステアリング | 対応 | |
ビームフォーミング | 対応 | |
MU-MIMO | 対応 | |
CPU | クワドックコア | デュアルコア |
暗号化 | WPA3対応 | WPA2対応 |
サイズ(mm) | 約51.5x215x200 | 約38×129.5×170 |
質量 | 約0.9kg | 約0.6kg |
※詳細は公式サイトでご確認ください。
⇒PA-WX6000HP
⇒PA-WG2600HP3
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の特徴
まずはWi-Fi 6の特徴から見ていきましょう。
実はWi-Fi 6という標記の仕方は最近始まったもので以前までは「IEEE 802.11ac」という標記の仕方をしていました。
正式にはこの表記が正しいのですがこの表記を見てもどれが最新の規格か判り難いですよね。
なので一目で判るように
- IEEE 802.11n⇒Wifi 4
- IEEE 802.11ac⇒Wifi 5
- IEEE 802.11ax⇒Wifi 6
となったようです。
それより以前の規格には番号は付与されなかったようですが現実的にはあまり利用されていないと思いますので大きな問題はないかなという気はします。
でWifi 6の大きな特徴としては
- 通信速度の向上
- デュアルバンド同時接続に対応
- 「MU-MIMO」対応
- OFDMA対応
などがあります。
個々に見ていくと
通信速度の向上
Wi-Fi6では最大速度は9.6Gbpsと、Wi-Fi5の約1.4倍速くなっています。
約1.4倍と聞くとあまり早くなっていない様に思えますが9.6Gbpsなので通常の有線LAN(1Gbps)よりもかなり早いですよね。
勿論、安定性や全2重(上り、下り同時通信可能)などの違いがあるので単純に数字だけでは比較できませんけどね。
デュアルバンド同時接続対応
Wi-Fi 6は使用周波数は2.4GHzと5GHz帯の2つで、デュアルバンド同時接続に対応しているので効率的に通信が可能です。
※Aterm WX6000HPは2.4GHzと5GHz帯x2の合計3つを利用したトライバンドに対応しているのでより安定した通信が可能です。
「MU-MIMO」対応
周波数帯の利用効率を高める「MU-MIMO」(MultiUser-MIMO:Multiple Input Multiple Output)の略です。
※厳密にいうとWifi 5(例えばPA-WG2600HP3など )のルーターでも対応しているものもあります。
MIMOの中でも、複数の端末にデータを送信できる技術のことです。
MIMOは複数のアンテナを用いる1対1の通信ですが、MU-MIMOはアンテナごとに異なる信号を複数の端末に送信する1対多の通信を可能とします。
1対1の通信では複数の端末に順番にデータ通信をしますが、MU-MIMOは複数端末に同時に通信するので通信速度の低下を防げます。
またMU-MIMOには端末がある場所に最適な電波を送信する「ビームフォーミング」という機能が搭載されていて位相をずらして通信することで電波の干渉が起きないようにしています。
※MIMO:Multiple Input Multiple Outputの略称です。
送受信側それぞれが複数のアンテナを用いて、同一周波数帯で同一通信を行うことで、通信を高速化させる技術です。
OFDMA対応
1チャネルの帯域を複数のユーザーに割り振って使用できるようにする「OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access」(直交周波数分割多重)技術です。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の特徴 まとめ
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の特徴は通信速度の向上もあるのですがさらに言うとより多くの端末に対して安定した通信を実現できる技術の塊と言えると思います。
最近は個人の自宅でもスマートフォン、タブレット、パソコンなどが当然の様に複数台有るので同時に通信をしている状況が発生します。
こんなときにより高速に通信が可能な技術がWi-Fi 6を言えると思います。
勿論無線LAN自体も早いですけどね。(笑)
※Wifi通信規格と新呼称
Wi-Fi 規格名 | 最大通信速度 | 周波数 | 新呼称 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz 帯 | – |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz 帯 | – |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz 帯 | – |
IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz 帯5GHz 帯 | Wi-Fi 4 |
IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz 帯 | Wi-Fi 5 |
IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz 帯5GHz 帯 | Wi-Fi 6 |
Aterm WX6000HPのレビュー
Aterm WX6000HPの付属品
・つなぎかたガイド
・「Aterm WX6000HP」正誤表
・Wi-Fi設定シート
・スタンド
・AC電源
・LANケーブル(CAT6A)
付属のLANケーブル 10Gbps対応のCAT6Aなんですよね。
以前はこの速度は光ケーブルしかなかったので技術の進歩凄いですよね。←管理人が時代に遅れているだけのような気もしますが。
Aterm WX6000HPの本体
本体は「Aterm WG2600HP3」と比べると少し大きめです。
数字で見ると
・Aterm WX6000HP:約51.5x215x200mm
・Aterm WG2600HP3:約38×129.5x170mm
ですから結構違いますよね。
実際に並べてみると結構違います。
Aterm WG2600HP3であればどこにでも置けますけどAterm WG2600HP3は少しスペースを意識して設置という形ですね。
でもLANケーブルとか刺さないといけないので結局は場所の確保は必要なんですけどね。
Aterm WX6000HPの外見
右面
左面
ラベルにSSIDやパスワード等の情報が記載されています。
前面
ステータスランプなどが配置されています。
①POWER
②ACTIVE
③2.4GHz
④5GHz
⑤TV
後面
①電源
②WAN側LANケーブル口(10Gbps)
③LAN側LANケーブル口x4(1Gbps)
④RT/BR切り替えスイッチ
⑤無線ボタン(WPS設定時に使用)
※WANとLAN1のケーブル口は設定により機能入替可能
上面
底面
①スタンド取付口
②RESETスイッチ
③スタンド取付口
Aterm WX6000HPの主な機能
まずAterm WX6000HPには動作モードとしてルータモード、ブリッジモードの2つのモードがあります。
管理人の場合はASPが提供しているルータが別途あるので(光電話なども繋がっているので勝手に変える勇気はない)無線LAN機能だけを提供するブリッジモードでの利用となります。
ただしルータモードとして利用する場合もあるかと思いますので念のため主な機能を確認しておきたいと思います。
設定用の画面は下図のようになります。
特徴的な機能としては
・IPv6(IPoE)対応
・通信の優先順位(高/中/低)を端末レベルで設定できる【QoS(Quality of Service)】対応
・ネットワーク分離機能(ゲスト用などで利用可能なWifi提供機能)
・オクタチャネル
・クワッドチャネル
・デュアルチャネル
・WPA3
・OFDMA
・MU-MIMO
などが用意されています。
勿論基本的な機能の
NAT、ポートマッピング、静的ルーティング(スタティックルーティング)などの機能も用意されています。
詳細はこちらの公式ページでご確認ください。
⇒公式ページ
この中でちょっとおもしろいなと思った機能をご紹介します。
見えて安心ネット
こちらはWifiへアクセス可能なデバイスを制御する仕組みですね。
通常のMACアドレス フィルタリングと同じような機能になります。
MACアドレスでの登録だとそのアドレスが何のデバイスだったか判り難いですがこれだと一目で判るので使いやすいですね。
あとは「その他の設定」の中にあるDMZサーバーの設定なども面白いですね。
公開用のサーバー(もちろんPCでも可)を指定しておくと外部からアクセス可能となります。
但し、ファイヤー ウォールなどのセキュリティ対策が必要なのは言うまでもないですけどね。
また同じページ内にあるWAN側(10Gbps)ポートとLAN側(1Gbps)ポートの機能入替機能も何気に便利です。
まあ最近始まった10Gbps対応の回線に契約されている方はそのまま利用した方が良いですが管理人の様に1Gbps契約でLAN内の高速化を考えている人には有難い機能です。
NASなどをこのポートに接続すればかなり高速化が期待できます。
Aterm WX6000HPの設置方法
管理人の場合はプロバイダ提供のルータがあったのでBR/ブリッジモードに切り替えてLANケーブルを刺すだけで利用出来ました。
外部からのアクセスが心配なので一応パスワードの変更と「見えて安心ネット」で利用可能なデバイスの登録をしました。
これに登録するとMACアドレスフィルタリングと同様な効果があるのである程度安心です。
登録は有線LANで接続してメンテナンス モードで立ち上げて処理をする必要があるため若干メンドクサイです。
なぜルーター モードみたいに通常利用しながらWifi接続で簡単に出来ないのだろうか? ちょっと不思議です。
Aterm WX6000HP パフォーマンス測定
実は管理人の手元にWifi 6対応のデバイスがまだないので有効性はまだ計れていないのが実情です。
※現在発注中ですが現在の状況が影響しているのか納期がまだまだ先になっています。
ですのでWifi 5での接続での計測になります。
下りで101.4Mbps⇒134.2Mbpsなので約30%強速度がアップしています。
まあWifiなので電波の安定性やCPUの処理能力の差が出ているんですかね。
さらに有線LAN接続で測定してみると下りで173.6Mbps、上りで325.9Mbpsと出たのでWifi 6接続になればWifiでもさらに速度向上が期待できそうです。
また温度についてはベンチマーク測定中
Aterm WX6000HP:32.3度
PA-WG2600HP3:38.6度
となっていました。
PA-WG2600HP3は割と温度が高めだったので以前から気になっていたのですがAterm WX6000HPに関してはかなり負荷をかけてもあまり温度は上がらない印象です。
Aterm WX6000HPを使ってみての感想
本体は若干大きめですがアンテナが内蔵なので設置場所にそれほど困らないのは良いですね。
それに温度もあまり上がらないようなので安定して動作してくれそうです。
PA-WG2600HP3は温度が原因かどうか定かではないですがたまに接続が途切れるという事象が発生していましたがAterm WX6000HPでは今のところ発生していません。
LAN内の通信速度が上がることでインターネットの速度があがったのも存外に嬉しい結果です。
価格的には若干高めですがパフォーマンス的に満足できる製品ではないかと思います。
Aterm WX6000HPを検討する上で気になるのはやはり廉価版のAterm WX3000HPだと思います。
Aterm WX3000HPは手元にないのでカタログ上になってしまいますが簡単に比較してみたいと思います。
大きな違いはまず通信速度ですね。
無線で実測値4040Mbps⇔1580Mbpsですから2倍以上の差がありますよね。
また有線LANに関してもAterm WX6000HPは10Gbpsのポートが1つ搭載していますがAterm WX3000HPは1Gbpsのみです。
なので有線LAN、無線共に通信速度の差はかなり出そうです。
勿論、利用する機器が対応していないと意味ありませんけどね。(笑)
ゲームなどをされる方はQoS(優先通信制御)も重要だと思います。
ゲームを行うPCの優先順位を上げておけば通信遅延を極力抑えることが出来ます。
これ重要だと思いますよ。
でどちらを選ぶのが良いかというと
やはり通信速度の遅延を極力抑えたい方はAterm WX6000HP、速度も重要だけどコストを抑えたい方はAterm WX3000HPだと思います。
Wifi 6対応のPCは今年になってから多く発売されているので対応しているまだ対応PCをお持ちの方は少ないかと思います。
ただiPhone Pro 11も対応しているのでこれから急速に採用されると思いますのでWifiルータは長く使うことを考えると買い替えの際はWifi 6対応のものを購入されることをお勧めします。
ただし、現在Wifi 5対応のものをご利用の方は大きな不満がないのであれば積極的買い替えはお勧めしません。
※Aterm WX6000HP VS Aterm WX3000HP簡易比較表
製品 | PA-WX6000HP | WX3000HP |
---|---|---|
アンテナ数/5GHz | 8×8 | 2×2 |
アンテナ数/2.4GHz | 4×4 | 2×2 |
無線/5GHz | 11ax(4804Mbps) | 11ax(2402Mbps) |
無線/2.4GHz | 11ax(1147Mbps) | 11ax(574Mbps) |
無線/実測値 | 4040Mbps | 1580Mbps |
有線 | 10Gbps(WANx1) 1Gbps(LANx4) |
1Gbps(WANx1) 1Gbps(LANx4) |
有線/実測値 | 940Mbps | 未公表 (後日公開予定) |
OFDMA | 対応 | |
バンドステアリング | 対応 | |
ビームフォーミング | 対応 | |
MU-MIMO | 対応 | |
CPU | クワドックコア | デュアルコアCPU |
QoS(優先通信制御) | 対応 | 未対応 |
暗号化 | WPA3対応 | |
サイズ(mm) | 約51.5x215x200 | 約48×129.5×170 |
質量 | 約0.9kg | 約0.7kg |