IntelのノートPC向けCPUには、「Core Ultra 7 258V」「Core 7 150U」「Core i7-13700H」など、異なる命名方式の製品が混在しています。
数字が大きいCPUほど必ず高性能というわけではなく、CPUのブランド、シリーズ、グレード、末尾のアルファベットを順番に確認することが重要です。
本記事では、Intel製CPUの型番の見方と、用途に合ったCPUを選ぶためのポイントを分かりやすく解説します。
※掲載内容は2026年8月時点の情報です。
IntelのノートPC向けCPUは3系統に分けて考える
現在販売されているIntel搭載ノートパソコンでは、主に次の3系統のCPUが使われています。
| CPUの名称 | 主な位置づけ |
|---|---|
| Intel Core Ultra | プレミアムノートPCを中心とした現行シリーズ |
| Intel Core | 価格と性能のバランスを重視した現行シリーズ |
| 第14世代以前のIntel Core i | 従来の命名方式を採用したシリーズ |
IntelはCore Ultraをプレミアム向け、Coreを幅広いノートPC向けの手頃なシリーズとして位置づけています。Core UltraにはNPUが搭載され、製品やパソコンの構成によってはIntel Arcグラフィックスも利用できます。
ただし、「Core Ultraなら高性能」「Coreなら低性能」と単純に判断することはできません。
CPUの世代やグレードだけでなく、消費電力の設定、内蔵グラフィックス、メモリ構成、ノートパソコン本体の冷却設計まで確認する必要があります。
Intel Core Ultraとは
Intel Core Ultraは、CPUに加えて、グラフィックス処理を担当するGPUと、AI処理を担当するNPUを組み合わせたプロセッサーです。
主にモバイルノート、ビジネスノート、クリエイター向けノートなどに採用されています。
現在は次のシリーズが存在します。
- Intel Core Ultra シリーズ3
- Intel Core Ultra シリーズ2
- Intel Core Ultra シリーズ1
シリーズの数字は世代を表しています。
例えば、「Core Ultra 7 258V」の先頭にある「2」はシリーズ2、「Core Ultra 7 366H」の「3」はシリーズ3を示します。
Core UltraだからAI機能が必ず快適とは限らない
Core UltraにはNPUが搭載されていますが、NPUは通常のCPU性能を直接高める部品ではありません。
また、すべてのアプリがNPUを利用するわけではなく、AI機能を利用するにはソフトウェア側の対応が必要です。
そのため、NPUを搭載しているという理由だけでCPUを選ぶのではなく、利用予定のアプリがNPUに対応しているかを確認することが重要です。
Intel Coreとは
「Ultra」が付かないIntel Coreは、価格と性能のバランスを重視したノートパソコン向けのシリーズです。
名称は「Core 7 150U」「Core 5 120U」のように、Coreの後ろにグレードと3桁のプロセッサー番号が続きます。
Intel Coreシリーズでも、プロセッサー番号の最初の数字がシリーズを示します。
例えば、Core 7 150Uはシリーズ1、Core 7 250Hはシリーズ2に分類されます。
2026年に登場したCoreシリーズ3は、Core 3 304、Core 5 315、Core 7 350などの型番で展開されています。
Coreシリーズ3は、従来のCoreシリーズとして初めてハイブリッドAI処理に対応しているため、「Ultraが付いていないCPUにはAI機能がない」とは言い切れなくなっています。
従来のIntel Core iシリーズとは
第14世代以前のIntel CPUでは、「Core i7-13700H」「Core i5-1335U」のように、Coreの後ろに「i」が付く命名方式が使われていました。
この命名方式では、i3、i5、i7、i9がおおまかな性能グレードを示します。
| グレード | 大まかな位置づけ |
|---|---|
| Core i9 | 最上位クラス |
| Core i7 | 高性能クラス |
| Core i5 | 標準・主力クラス |
| Core i3 | エントリークラス |
「Core i7-13700H」の場合、i7の後ろにある「13」が第13世代を表します。
同様に、Core i5-1340Pは第13世代、Core i7-1260Pは第12世代です。第10世代以降は、型番の先頭2桁を見ることで世代を判断できます。
Intel Core Ultraの型番を読み解く
例として「Intel Core Ultra 7 258V」を分解すると、次のようになります。
Intel Core Ultra 7 258V
│ │ │ │ │
│ │ │ │ └ 末尾記号
│ │ │ └── 製品番号
│ │ └──── 性能グレード
│ └──────── ブランド
└──────────────── メーカー
「Core Ultra」はブランド名
Core Ultraは、Intelのプレミアム向けプロセッサーブランドです。
CPU、GPU、NPUを組み合わせていますが、GPU性能やNPU性能、CPUのコア数はモデルによって異なります。
「7」は性能グレード
Core Ultraでは、主に次のグレードが使われています。
- Core Ultra X9
- Core Ultra 9
- Core Ultra X7
- Core Ultra 7
- Core Ultra 5
基本的には、数字が大きいほど上位のグレードです。
Core Ultraシリーズ3で追加されたX9とX7は、高性能な内蔵Intel Arcグラフィックスを搭載した上位クラスとして位置づけられています。
ただし、Core Ultra 7であっても、型番や末尾記号によってCPUのコア数や内蔵グラフィックスが異なります。
「258」の先頭はシリーズを示す
Core Ultraの3桁のプロセッサー番号では、最初の数字がシリーズを示します。
| 型番例 | シリーズ |
|---|---|
| Core Ultra 7 165H | シリーズ1 |
| Core Ultra 7 258V | シリーズ2 |
| Core Ultra 7 366H | シリーズ3 |
残りの数字は同じシリーズ内のモデルを識別するための番号です。
ただし、異なるシリーズや末尾記号をまたいで、数字の大小だけで性能を比較することはできません。
例えば、Core Ultra 7 258VとCore Ultra 5 235Hでは、数字だけでなく、CPUの設計や消費電力、内蔵グラフィックスの違いまで確認する必要があります。
Intel Coreの型番を読み解く
例として「Intel Core 7 150U」を分解すると、次のようになります。
Intel Core 7 150U
│ │ │ │ │
│ │ │ │ └ 末尾記号
│ │ │ └── 製品番号
│ │ └──── 性能グレード
│ └──────── ブランド
└────────────── メーカー
Coreシリーズには、主にCore 7、Core 5、Core 3があります。
「150U」の先頭にある「1」はシリーズ1を示し、末尾のUは消費電力を抑えたノートPC向けCPUであることを示します。
型番末尾のアルファベットの意味
IntelのノートPC向けCPUでは、型番末尾のアルファベットから、おおまかな位置づけを判断できます。
| 末尾記号 | 主な意味 | 採用されやすいパソコン |
|---|---|---|
| HX | ノートPC向け最高性能クラス | ゲーミング、ワークステーション |
| H | 高性能ノートPC向け | ゲーミング、クリエイター向け |
| P | 薄型ノート向けに性能を最適化 | モバイル、ビジネス向け |
| U | 省電力性を重視 | モバイル、一般向け |
| V | Lunar Lakeを採用したシリーズ2 | 薄型モバイル、Copilot+ PC |
| 末尾なし | 製品ごとに仕様が異なる | 一般向け、モバイル向け |
IntelはHXをノートPC向け最高性能、Hを高性能、Pを薄型ノート向け、Uを省電力向けとして分類しています。Vは単純な性能区分ではなく、Lunar Lakeを示す記号です。
なお、「Core Ultra X9」のXは性能グレードの一部です。
「Core Ultra X9 388H」の場合、X9がグレード、Hが末尾記号となります。
末尾記号だけで性能を判断しない
一般的には、HやHXを搭載したCPUは処理性能を重視し、Uを搭載したCPUは省電力性を重視しています。
ただし、Hだから必ずUより快適とは限りません。
Hシリーズは高い性能を発揮しやすい一方で、冷却機構が大きくなり、本体重量やファンの動作音、消費電力が増える場合があります。
Uシリーズは最大性能ではHシリーズに及ばないことがありますが、文書作成、Web閲覧、オンライン会議などが中心であれば、十分な性能を持つ製品も少なくありません。
CPU単体の性能ではなく、ノートパソコンとしての使い方に合っているかを確認しましょう。
Core Ultra 5・7・9はどれを選ぶべきか
Core Ultra 5・Core 5
Web閲覧、文書作成、表計算、オンライン会議など、一般的な用途に適したグレードです。
複数のアプリを使った事務作業にも対応しやすく、価格とのバランスを重視する場合の中心的な選択肢になります。
Core Ultra 7・Core 7
複数アプリの同時使用、写真編集、プログラム開発、軽めの動画編集など、やや負荷の高い作業に向いています。
ただし、Core Ultra 7であっても内蔵グラフィックスや消費電力の設定はモデルによって異なるため、型番全体を確認する必要があります。
Core Ultra 9・X9
動画編集、3DCG、高負荷なクリエイティブ作業などを想定した上位グレードです。
性能を発揮するには十分な冷却性能が必要になるため、CPU名だけでなく、ノートパソコン本体の設計も重要です。
Core 3
Web閲覧、動画視聴、文書作成など、比較的軽い用途を中心としたグレードです。
価格を抑えやすい一方で、複数の重いアプリを同時に使用する用途では余裕が少なくなる可能性があります。
Intel CPUを選ぶときの確認手順
Intel CPUの型番を見たときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- Core Ultra、Core、Core iのどれか
- シリーズまたは世代
- Core 5、7、9などのグレード
- H、U、Vなどの末尾記号
- CPUコア数と内蔵グラフィックス
- 搭載パソコンの冷却性能と電力設定
- 実機レビューのベンチマーク結果
特に注意したいのは、グレード名だけで判断しないことです。
同じCore Ultra 7でも、薄型モバイル向けと高性能ノート向けでは、CPU性能やグラフィックス性能、バッテリー駆動時間が異なります。
同じCPUでもパソコンによって性能が変わる
同じCPUを搭載していても、ノートパソコンによって実際の性能は変わります。
主な理由は次のとおりです。
- CPUに割り当てられる電力
- 冷却ファンやヒートパイプの構成
- メモリ容量や動作方式
- メーカー独自の動作モード
- 本体の厚さやサイズ
Intelも、実際の性能は用途や構成などによって変わると説明しています。
CPU名だけで性能を決めつけず、実機レビューのベンチマーク、動作音、表面温度、バッテリー駆動時間などを合わせて確認することをおすすめします。
Intel CPUシリーズ別の解説
Intelの各CPUシリーズについては、以下のページで詳しく解説しています。
まとめ
IntelのノートPC向けCPUを選ぶ際は、Core 5やCore 7といったグレードだけでなく、ブランド、シリーズ、プロセッサー番号、末尾記号まで確認することが重要です。
現在はCore Ultra、Core、従来のCore iという異なる命名方式のCPUが併売されています。
また、同じグレードでも、省電力性を重視したモデルと処理性能を重視したモデルでは性格が異なります。
CPU名だけで優劣を判断せず、用途、ノートパソコン本体の設計、実機レビューの結果を含めて選びましょう。

