Intel Core Ultra シリーズ1とは?H・Uの違いと搭載ノートPCの選び方

Intel Core Ultra シリーズ1は、2023年末に登場したIntel初の「Core Ultra」ブランドのノートPC向けプロセッサーです。
従来のCPU処理に加えて、AI処理を担当するNPUをIntelのクライアント向けCPUとして初めて搭載しました。高性能ノート向けのHシリーズと、省電力性を重視したUシリーズがあり、同じCore Ultra 5やCore Ultra 7でも性能や用途は異なります。
本記事では、Core Ultra シリーズ1の特徴や型番の見方、H・Uシリーズの違い、搭載ノートPCを選ぶ際の注意点を解説します。

※掲載内容は2026年8月時点の情報です。

結論:Core Ultra シリーズ1は価格次第で現在も有力な選択肢

Core Ultra シリーズ1は、最新世代ではありませんが、Web閲覧、Office、オンライン会議、写真編集、軽めの動画編集などには現在も十分利用できる性能を備えています。
選ぶ際は、CPUのグレードよりも、末尾の「H」と「U」の違いを確認することが重要です。

シリーズ 主な特徴 適した用途
Hシリーズ CPU性能と内蔵GPU性能を重視 複数アプリ、写真編集、動画編集
Uシリーズ 消費電力と本体の薄型化を重視 Office、Web閲覧、持ち歩き
134U・164U Uシリーズの中でも低消費電力 薄型軽量モバイル

Hシリーズは14~16コアのCPUを搭載し、条件を満たしたノートPCではIntel Arcグラフィックスを利用できます。
Uシリーズは主に12コアですが、CPUのPコア数と内蔵GPU規模がHシリーズより小さく、一般的な業務やモバイル用途を重視した構成です。
ただし、Core Ultra シリーズ1のNPU性能は、現在のCopilot+ PCが求める基準を満たしていません。AI機能よりも、ノートPCとしての価格、CPU性能、内蔵GPU性能、使いやすさを中心に評価した方がよいでしょう。

Intel Core Ultra シリーズ1とは

Intel Core Ultra シリーズ1は、開発コードネーム「Meteor Lake」と呼ばれていたノートPC向けプロセッサーです。
Intelは2023年12月14日にCore Ultraを正式に投入しました。Intelのクライアント向けプロセッサーとして初めてNPUを内蔵し、CPU、GPU、NPUの3種類の演算装置で処理を分担できる設計になっています。
また、CPU部分にはIntel 4プロセスを採用し、複数のタイルをFoveros 3Dパッケージング技術で組み合わせています。従来のようにプロセッサー全体を一枚のダイで構成するのではなく、CPU、GPU、SoCなどの機能を分けて構成した点も大きな変更です。
Core Ultra シリーズ1は、主に薄型ノート、ビジネスノート、クリエイター向けノートなどに採用されています。

Core Ultra シリーズ1の型番の見方

「Intel Core Ultra 7 155H」を例に分解すると、次のようになります。

Intel Core Ultra 7 155H
│       │     │ │  └ 末尾記号
│       │     │ └── プロセッサー番号
│       │     └──── 性能グレード
│       └────────── ブランド
└────────────────── メーカー

Core Ultraはブランド名

Core Ultraは、IntelがプレミアムノートPC向けを中心に展開しているプロセッサーブランドです。
シリーズ1では、Core Ultra 9、Core Ultra 7、Core Ultra 5の3グレードが用意されています。

5・7・9は性能グレード

Core Ultra シリーズ1のグレードは、次のように分かれています。

グレード 大まかな位置づけ
Core Ultra 9 最上位モデル
Core Ultra 7 高性能モデル
Core Ultra 5 標準・主力モデル

基本的には数字が大きいほど上位ですが、グレードだけでCPU性能を判断することはできません。
例えば、Core Ultra 7 155Uは12コアの省電力モデルですが、Core Ultra 5 125Hは14コアの高性能モデルです。CPUを使った高負荷処理や内蔵GPU性能では、Core Ultra 5 125Hが有利になる場合があります。

型番の先頭にある「1」はシリーズ1を示す

Core Ultraのプロセッサー番号では、最初の数字がシリーズを表します。

型番例 CPUシリーズ
Core Ultra 7 155H シリーズ1
Core Ultra 7 258V シリーズ2
Core Ultra 7 366H シリーズ3

Intelも、プロセッサー番号の先頭にある1、2、3などが、それぞれシリーズ1、シリーズ2、シリーズ3を示すと説明しています。

HシリーズとUシリーズの違い

Core Ultra シリーズ1搭載ノートPCを選ぶ際に、最も重要なのが末尾のHとUです。

Hシリーズは処理性能を重視

Hシリーズは、CPU性能と内蔵GPU性能を重視したノートPC向けです。
主なモデルは14コアまたは16コアで、写真編集、動画編集、プログラム開発、複数アプリの同時使用などに向いています。
例えば、Core Ultra 7 155Hは次の構成です。

  • Pコア:6コア
  • Eコア:8コア
  • 低消費電力Eコア:2コア
  • 合計:16コア、22スレッド
  • プロセッサーの基本電力:28W
  • 最大ターボ時電力:115W

Core Ultra 9 185Hは同じ16コア構成ですが、基本電力が45W、最大ターボ時電力が115Wに設定されています。
処理性能を発揮しやすい一方で、Uシリーズ搭載ノートと比較すると、本体重量やファンの動作音、消費電力が増える場合があります。

Uシリーズは省電力性を重視

Uシリーズは、一般的なビジネスノートやモバイルノート向けのCPUです。
Core Ultra 5 125Uの場合は、次の構成です。

  • Pコア:2コア
  • Eコア:8コア
  • 低消費電力Eコア:2コア
  • 合計:12コア、14スレッド
  • プロセッサーの基本電力:15W
  • 最大ターボ時電力:57W

Web閲覧、文書作成、表計算、動画視聴、オンライン会議などが中心であれば、Uシリーズでも十分な性能を期待できます。
ただし、Pコアが2基のため、長時間の動画書き出しなどCPU負荷の高い処理では、Pコアを4~6基搭載するHシリーズとの差が出やすくなります。

134Uと164Uは基本電力9W

Core Ultra 5 134UとCore Ultra 7 164Uは、同じUシリーズでも基本電力が9Wに設定されたモデルです。
薄型軽量ノートへの搭載を想定した構成で、どちらも12コアですが、一般的な125Uや155Uなどとは電力設定が異なります。
型番末尾が同じUでも、すべて同じ性能や消費電力ではない点には注意が必要です。

Core Ultra シリーズ1の主な特徴

低消費電力Eコアを搭載

Core Ultra シリーズ1では、従来のPコアとEコアに加えて、SoCタイル内に低消費電力Eコアを搭載しています。
軽い処理を低消費電力Eコアが担当することで、負荷が低い場面ではCPUタイルを常に動かさずに処理できる設計です。
Hシリーズでは6P+8E+2低消費電力Eコアまたは4P+8E+2低消費電力Eコア、主なUシリーズでは2P+8E+2低消費電力Eコアという構成が採用されています。

Intel初の内蔵NPUを搭載

Core Ultra シリーズ1は、Intelのクライアント向けCPUとして初めて「Intel AI Boost」と呼ばれるNPUを搭載しました。
NPUは、オンライン会議の背景処理、視線補正、ノイズ除去など、継続的に動作するAI処理を省電力で実行することを想定しています。
Core Ultra 5 125HやCore Ultra 9 185HのNPU性能は11 TOPSです。
ただし、NPUは通常のCPU性能を高める部品ではありません。また、NPUを利用できるかどうかはアプリ側の対応によって決まります。
ローカルLLMや画像生成などでは、Core Ultra シリーズ1のNPUではなく、CPUやGPUが使われる場合もあります。

Copilot+ PCには該当しない

Microsoftは、Copilot+ PCの要件として40 TOPS以上のNPU、16GB以上のメモリ、256GB以上のストレージなどを定めています。
Core Ultra シリーズ1のNPUは約11 TOPSのため、NPUを搭載した「AI PC」ではありますが、Copilot+ PCには該当しません。
Copilotキーを備えたCore Ultra シリーズ1搭載ノートもありますが、Copilotキーの有無とCopilot+ PCへの対応は別の話です。

HシリーズはIntel Arcグラフィックスを利用可能

Core Ultra シリーズ1のHシリーズには、最大8基のXeコアを備えた内蔵GPUが搭載されています。
Core Ultra 7 155HやCore Ultra 7 165Hは16コアCPUとIntel Arcグラフィックスを備え、外部GPUを搭載しないノートでも、写真編集、動画編集、軽めのゲームなどに利用できます。
ただし、Intel Arcブランドとして利用するには、Hシリーズ搭載PCで16GB以上のデュアルチャネルメモリを搭載し、ノートPCメーカー側で有効化されている必要があります。
条件を満たさない構成では、CPUが対応していても「Intel Graphics」として扱われます。購入時にはCPU名だけでなく、製品仕様に記載されたGPU名を確認しましょう。

Uシリーズの内蔵GPUはIntel Graphics

Core Ultra シリーズ1のUシリーズは、主に4基のXeコアを備えたIntel Graphicsを搭載しています。
Core Ultra 7 155UやCore Ultra 5 125Uも4基のXeコア構成で、HシリーズのIntel Arcグラフィックスとは規模が異なります。
Office、動画再生、オンライン会議などには十分対応できますが、ゲームやGPUを利用する動画編集を重視する場合は、Hシリーズの方が適しています。

Core Ultra シリーズ1の主なラインアップ

一般的なノートPC向けの主なモデルは次のとおりです。

グレード 型番 コア/スレッド 基本電力 内蔵GPU
Core Ultra 9 185H 16/22 45W Intel Arc
Core Ultra 7 165H 16/22 28W Intel Arc
Core Ultra 7 155H 16/22 28W Intel Arc
Core Ultra 5 135H 14/18 28W Intel Arc
Core Ultra 5 125H 14/18 28W Intel Arc
Core Ultra 7 165U 12/14 15W Intel Graphics
Core Ultra 7 164U 12/14 9W Intel Graphics
Core Ultra 7 155U 12/14 15W Intel Graphics
Core Ultra 5 135U 12/14 15W Intel Graphics
Core Ultra 5 134U 12/14 9W Intel Graphics
Core Ultra 5 125U 12/14 15W Intel Graphics
Core Ultra 5 115U 8/10 15W Intel Graphics

Intelの製品一覧には、Core Ultra 9 185HからCore Ultra 5 115Uまで複数のモバイル向けモデルが掲載されています。
実際に採用されているCPUはノートPCメーカーや製品によって異なり、日本国内では155H、125H、155U、125Uなどを搭載した製品が比較的多く見られます。

用途別の選び方

Web閲覧やOfficeが中心

Web閲覧、文書作成、表計算、動画視聴、オンライン会議が中心なら、Core Ultra 5 125Uや135Uが候補になります。
一般的な業務には十分対応しやすく、Hシリーズ搭載機よりも薄型軽量な製品を選びやすいのが特徴です。

持ち歩きやすさを重視

持ち歩きを重視する場合も、Uシリーズ搭載ノートが選びやすいでしょう。
ただし、CPUがUシリーズだから必ずバッテリー駆動時間が長いとは限りません。ディスプレイの種類、バッテリー容量、メーカーの電力設定などによって実際の駆動時間は変わります。
カタログ値だけでなく、実機レビューのバッテリーテストも確認しましょう。

複数アプリを使った業務

ブラウザのタブを多数開きながら、Office、オンライン会議、業務アプリなどを同時に使用する場合は、Core Ultra 5 125H以上が候補になります。
HシリーズはPコア数が多く、Uシリーズより高負荷な処理に対応しやすい構成です。

写真編集や動画編集

写真編集や軽めの動画編集では、Core Ultra 5 125H、135H、Core Ultra 7 155H、165Hなどが適しています。
CPU性能だけでなく、Intel Arcグラフィックスを利用できるメモリ構成になっているかも確認しましょう。
動画編集を行う場合は、16GB以上のメモリを最低ラインとし、4K動画や複数アプリを使用する場合は32GB以上を選ぶと余裕があります。

外部GPUなしで軽いゲームを楽しみたい

外部GPUを搭載しないノートでゲームを楽しみたい場合も、Hシリーズが候補です。
ただし、Core Ultra シリーズ1のIntel Arcは、後継のCore Ultra 200Vやシリーズ3のArc B370・B390とは異なる世代です。
新しいゲームを高画質で快適に動かすことよりも、解像度や画質を調整しながら軽めのゲームを楽しむ用途に向いています。

Core Ultra シリーズ1を選ぶ際の注意点

Core Ultra 7がCore Ultra 5より必ず高性能とは限らない

Core Ultra 7 155Uは上位グレードですが、省電力性を重視したUシリーズです。
一方、Core Ultra 5 125Hは下位グレードでも、CPUコア数やPコア数、内蔵GPU規模では155Uを上回ります。
性能を重視する場合は、Core Ultra 5・7というグレードだけでなく、末尾のH・Uを必ず確認しましょう。

NPU搭載を理由に選ぶ必要性は低い

Core Ultra シリーズ1はNPUを搭載していますが、NPU性能は11 TOPS前後です。
オンライン会議の一部機能などには利用できますが、Copilot+ PC専用機能や高負荷な生成AI処理を目的に選ぶCPUではありません。
NPUよりも、CPU性能、内蔵GPU、メモリ容量、ノートPC本体の価格を中心に比較した方が実用的です。

Intel Arcの表記を確認する

Hシリーズであっても、メモリ容量やチャネル構成、メーカー側の設定によってはIntel ArcではなくIntel Graphicsとして動作します。
購入時には「Core Ultra 7 155H搭載」という記載だけで判断せず、製品仕様に「Intel Arcグラフィックス」と明記されているか確認しましょう。

最新世代との価格差を確認する

Core Ultra シリーズ1搭載ノートは、後継製品の登場によって値下げされている場合があります。
価格が十分に安ければ有力ですが、Core Ultra シリーズ2やシリーズ3搭載モデルとの価格差が小さい場合は、内蔵GPU性能、NPU性能、バッテリー駆動時間なども含めて比較しましょう。

同じCPUでも実際の性能は変わる

同じCore Ultra 7 155Hを搭載していても、ノートPCの冷却性能、CPUの電力設定、メモリ構成によって実際の性能は変わります。
薄型軽量ノートと冷却機構に余裕のある大型ノートでは、長時間の高負荷処理で性能差が出る場合があります。
CPUの仕様だけでなく、実機レビューのベンチマーク、動作音、表面温度、バッテリー駆動時間を確認することが重要です。

Core Ultra シリーズ1搭載ノートPCのレビュー

当サイトでレビューしたCore Ultra シリーズ1搭載ノートPCは、以下から確認できます。

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実機レビューでは、CPUと内蔵GPUのベンチマークだけでなく、バッテリー駆動時間、動作音、本体温度、ディスプレイ、キーボードなども確認しています。
同じCPUを搭載した製品でも、実際の性能や使いやすさは異なるため、購入前の参考にしてください。

まとめ

Intel Core Ultra シリーズ1は、Intelが初めてNPUを内蔵したCore UltraブランドのノートPC向けプロセッサーです。
高性能なHシリーズと、省電力性を重視したUシリーズに分かれており、選ぶ際はCore Ultra 5・7・9というグレードよりも、末尾のH・Uを確認することが重要です。

  • Officeや持ち歩き用途ならUシリーズ
  • 複数アプリや写真編集ならHシリーズ
  • 内蔵GPU性能を重視するならIntel Arc対応のHシリーズ
  • Copilot+ PCや高性能NPUを求めるなら後継シリーズ

最新世代ではありませんが、価格が安くなっている製品であれば、一般用途からクリエイティブ作業まで対応できる有力な選択肢です。
CPU名だけで判断せず、メモリ構成、内蔵GPU、冷却性能、実機レビューの結果を含めて選びましょう。

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