AMD Ryzen AI Maxシリーズは、高いCPU性能と強力な内蔵GPU性能を組み合わせた、クリエイター向け・高性能ノートPC向けプロセッサーです。
一般的なRyzen AI 300シリーズが薄型ノート向けのバランス型CPUであるのに対し、Ryzen AI Maxシリーズは「外部GPUを搭載しなくても高いグラフィックス性能を実現する」ことを目指した製品です。
特に最上位のRyzen AI Max+ 395では、16コア32スレッドのCPUとRadeon 8060S Graphics(40CU)を搭載し、外部GPUなしで動画編集、3DCG制作、AI処理などの高負荷用途に対応できる性能を備えています。
本記事では、Ryzen AI Maxシリーズの特徴、Ryzen AI 300シリーズとの違い、型番の見方、搭載ノートPCの選び方を解説します。
結論:Ryzen AI Maxシリーズは外部GPUなしで高性能を狙うCPU
Ryzen AI Maxシリーズは、一般的なノートPC向けCPUというより、モバイルワークステーションや高性能クリエイターノート向けのプロセッサーです。
最大の特徴は、高性能なRadeon内蔵GPUです。
通常のノートPCでは、動画編集や3D処理を快適に行うためにGeForce RTXなどの外部GPUを搭載します。
Ryzen AI Maxシリーズでは、大容量メモリ帯域と高性能な内蔵GPUによって、外部GPUを搭載しない構成でも高いグラフィックス性能を実現しています。
| CPU | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| Ryzen AI Max+ 395 | 最上位モデル | 動画編集、3DCG、AI処理 |
| Ryzen AI Max 390 | 高性能CPU+GPU | クリエイター用途 |
| Ryzen AI Max 385 | バランス型 | 高性能モバイル用途 |
Ryzen AI Maxシリーズとは
Ryzen AI Maxシリーズは、開発コードネーム「Strix Halo」と呼ばれるAMDの高性能モバイル向けプロセッサーです。
Ryzen AI 300シリーズと同じZen 5 CPUコアを採用していますが、GPU部分を大幅に強化しています。
主な特徴:
- 最大16コア32スレッドCPU
- Radeon 8000Sシリーズ内蔵GPU
- 最大50 TOPSのNPU
- 最大128GB LPDDR5xメモリ対応
- 高いメモリ帯域幅
最上位のRyzen AI Max+ 395では、Zen 5を16コア搭載し、Radeon 8060S Graphics(40CU)を搭載しています。
Ryzen AI Maxシリーズの型番の見方
例として「Ryzen AI Max+ 395」を確認します。
AMD Ryzen AI Max+ 395
│ │ │
│ │ └── モデル番号
│ └───────── シリーズ名
└──────────────── ブランド
Ryzen AI Max+とRyzen AI Maxの違い
Ryzen AI Maxシリーズには、「Max+」と「Max」があります。
Ryzen AI Max+シリーズ
Ryzen AI Max+は、シリーズ内でも最上位に位置します。
代表モデル:
- Ryzen AI Max+ 395
特徴:
- 16コア32スレッド
- Radeon 8060S Graphics
- 大容量メモリ対応
CPU性能だけでなく、内蔵GPU性能を最優先したモデルです。
動画編集、AI処理、3DCG制作など、高いGPU性能を必要とする用途に向いています。
Ryzen AI Maxシリーズ
Ryzen AI Maxは、Max+よりCPUやGPU構成を抑えたモデルです。
代表モデル:
- Ryzen AI Max 390
- Ryzen AI Max 385
Max+ほどの性能は必要ないものの、高性能な内蔵GPUを活用したい人向けです。
Ryzen AI Max+ 395の特徴
Ryzen AI Max+ 395は、Ryzen AI Maxシリーズの最上位モデルです。
主な仕様:
- CPU:16コア32スレッド
- 最大5.1GHz
- Radeon 8060S Graphics
- GPUコア:40CU
- NPU:最大50 TOPS
- 最大128GB LPDDR5x対応
特に注目すべき点は、内蔵GPU性能です。
一般的な内蔵GPUはCPUのおまけ的な存在ですが、Ryzen AI Max+ 395では、大規模なGPUコアを搭載することで、外部GPUなしでも高い処理性能を狙っています。
Ryzen AI Maxシリーズの内蔵GPU性能
Ryzen AI Maxシリーズの最大の特徴はRadeon 8000SシリーズGPUです。
| CPU | 内蔵GPU |
|---|---|
| Ryzen AI Max+ 395 | Radeon 8060S |
| Ryzen AI Max 390 | Radeon 8050S |
| Ryzen AI Max 385 | Radeon 8050S |
Radeon 8060Sは40CUを搭載しており、一般的なCPU内蔵GPUとは規模が大きく異なります。
そのため、
- 動画編集
- 画像生成AI
- 3DCG
- CAD
- 軽~中程度のゲーム
など、GPU性能が重要な用途でメリットがあります。
大容量メモリ対応も特徴
Ryzen AI Maxシリーズでは、大容量LPDDR5xメモリに対応しています。
最上位モデルでは最大128GBメモリに対応します。
内蔵GPUはシステムメモリを共有するため、GPU性能を活用する用途ではメモリ容量が重要になります。
特に、
- ローカルAI
- 大容量画像処理
- 動画編集
- 3D制作
では32GB以上のメモリを搭載したモデルがおすすめです。
NPU性能は最大50 TOPS
Ryzen AI Maxシリーズは、AI処理用NPUも搭載しています。
最大50 TOPSのNPU性能を備え、Copilot+ PCの要件にも対応しています。
ただし、注意点として、AI処理すべてがNPUで高速化されるわけではありません。
実際の生成AIやローカルLLM処理では、GPU性能やメモリ容量の影響が大きくなる場合があります。
Ryzen AI Maxシリーズでは、NPUだけでなく、高性能GPUと大容量メモリを活用できる点が大きなメリットです。
Ryzen AI 300シリーズとの違い
Ryzen AI MaxシリーズとRyzen AI 300シリーズの違いは、主にGPU性能です。
| 項目 | Ryzen AI Max | Ryzen AI 300 |
|---|---|---|
| 主な用途 | クリエイター・高性能 | 薄型ノート・万能型 |
| CPU | 最大16コア | 最大12コア |
| 内蔵GPU | Radeon 8060Sなど | Radeon 890Mなど |
| メモリ | 最大128GB | 一般的なノート向け |
| 外部GPUなしの高負荷作業 | ◎ | ○ |
| 持ち運び重視 | △ | ◎ |
Ryzen AI 300シリーズはバランス型、Ryzen AI MaxシリーズはGPU性能を重視した高性能型と考えると分かりやすいでしょう。
用途別の選び方
動画編集をする人
おすすめ:
- Ryzen AI Max+ 395
- Ryzen AI Max 390
高性能GPUと大容量メモリを活用できるため、外部GPUなしでも動画編集用途に向いています。
ただし、プロ向け4K編集や大量のエフェクト処理では、外部GPU搭載モデルも比較対象になります。
画像生成AI・ローカルAIを利用する人
おすすめ:
- Ryzen AI Max+ 395
AI処理ではNPUだけでなく、GPU性能とメモリ容量も重要です。
Ryzen AI Maxシリーズは、大容量メモリを搭載できる点がメリットです。
ゲームを楽しみたい人
内蔵GPUとしては非常に高性能ですが、最新ゲームを最高画質でプレイする場合は外部GPU搭載モデルが有利です。
軽量化や持ち運びやすさを重視しながらゲーム性能も求めたい人に向いています。
一般的なOffice用途
Ryzen AI Maxシリーズはオーバースペックになる可能性があります。
Web閲覧、Office、オンライン会議が中心なら、Ryzen AI 5・Ryzen AI 7シリーズの方が価格やバッテリー面で有利です。
Ryzen AI Maxシリーズを選ぶ際の注意点
本体サイズや価格は高め
Ryzen AI Maxシリーズは高性能CPUのため、搭載ノートPCも高価格帯になります。
また、性能を発揮するには十分な冷却設計が必要になるため、薄型軽量モデルより高性能ノート向けになります。
メモリ容量を確認する
内蔵GPUはメモリを共有するため、16GBモデルでは用途によって余裕が少ない場合があります。
動画編集やAI処理を目的にするなら、32GB以上を検討しましょう。
搭載PCによって性能差が出る
同じRyzen AI Max+ 395でも、
- 電力設定
- 冷却性能
- メモリ容量
- メモリ速度
によって実際の性能は変わります。
CPU型番だけで判断せず、実機レビューの結果を確認することが重要です。
Ryzen AI Maxシリーズ搭載ノートPCのレビュー
当サイトでレビューしたRyzen AI Maxシリーズ搭載ノートPCは、以下から確認できます。
実機レビューでは、
- CPU性能
- GPU性能
- AI処理性能
- 動作音
- 本体温度
- バッテリー駆動時間
などを確認しています。
まとめ
Ryzen AI Maxシリーズは、AMDのノートPC向けCPUの中でも特にGPU性能を重視した高性能モデルです。
一般的なRyzen AIシリーズが万能型だとすると、Ryzen AI Maxシリーズは「外部GPUなしで高性能を狙うためのCPU」といえます。
選び方の目安:
- 一般用途 → Ryzen AI 300シリーズ
- 高性能モバイル → Ryzen AI Max 385
- クリエイター用途 → Ryzen AI Max 390
- 最高性能 → Ryzen AI Max+ 395
特に動画編集、AI処理、3D制作などGPU性能を必要とする用途では、Ryzen AI Maxシリーズは有力な選択肢になります。
